SAM 自己組織化単分子膜 SAM 自己組織化単分子膜
各ページの構成、見方について ジスルフィド チオホスホネート
チオールQ&A アセチル保護チオール ビルディングブロック
バイオスペシフィックチオール NPsアセンブリー用ジチオール カップリング試薬
機能化チオール クラウンエーテルチオール カリックスアレン
電気化学活性チオール フッ化チオール / シラン MOFs
蛍光チオール / ジスルフィド シランカップリングに関して 機能性酸化グラフェン
光応答性チオール シランカップリング剤 酸化鉄ナノ粒子修飾用リガンド
バイオレジスタント双性イオン 糖類ジスルフィド

赤字はインストラクションです。
*納期は通常、御発注から約1か月で納品となります。合成と輸入に要する時間で前後いたしますが何卒ご了承ください。
*カスタムメイドを承っておりますのでお問合せいただければ幸甚です。

チオールQ&A
Q: SAMとは何か?
A: SAMとは基板を目的分子の溶液に浸すと自発的に形成される組織化された
膜であり、単分子膜の場合には自己組織化単分子膜 (Self-assembled Monolayer)
と呼ばれます。SAMを形成する分子は通常基板と結合する官能基を1つ持ち、それに続く鎖状構造がファンデルワース力によりタイトなパッキングを助長します。ヘッドグループには親水性、疎水性、化学反応性、生体特異性や適合性など様々な機能を持つ分子が使用されます。

Q: SAMはどのような材質の表面に形成するか?
A: チオール基とジスルフィド基は金、銀、銅、白金、パラジウム、水銀など様々な金属表面でSAMを形成します。中でも金基板はもっとも幅広く使用されています。

Q: 保管場所と条件は?
A: 機能化チオール、ジスルフィド試薬
低温 (-20℃〜+2℃、中長期保存の場合は-20℃をおすすめ致します)、不活性ガス下(アルゴン又は窒素)で保存してください。このような条件で保存された場合は通常約3ヶ月間の保存が可能です。(例外的にもっと長く2年以上保存し、問題なかったエンドユーザー様も実際におられますが、保障は3ヶ月間とさせていただきます)。溶液にした状態や室温下ではチオールが酸化してジスルフィドになる傾向があります。1週間以上経過した溶液の使用はおすすめ出来ません。溶液作成後はすぐにご使用される事をおすすめ致します。

ナノ粒子
室温で遮光して保管して下さい。温度が低くなると沈殿する傾向がありますので、20℃以下はおすすめできません。チオール基がすでに金ナノ粒子と結合している為、機能化チオールのような酸化の問題はありません。このような保存状態で、上記と同様に保障は3ヶ月間とさせていただきます。

Q: SAM形成の溶液は?
A: 通常高純度のエタノールに1-2mMの濃度で作成します。Cuなどの金属汚染はSAM形成の妨げになるので御注意下さい。カルボキシル基など酸性基を持つ場合は、エタノール溶液をpH〜2に調整し水素の電離およびマルチレイヤー形成を防いで下さい(実際にはpH測定できませんが、e. g. 1〜2 mM濃度の溶液110 mlに対して、0.1N HCl10 μl添加。同様に、トリメチルアミンなど塩基性を持つ場合はエタノール溶液をpH〜12に調整して下さい。

Q: 溶液の作成方法は?
A: xmMの濃度でymLの溶液を作成する場合、
m[mg]={x[mM]*y[mL]*MW[g/mol]] / 1000
例:バイオレジスタントチオールHS-C11H22-EG6(分子量468.7g/mol)を使用し、2mMの濃度で100mLの溶液を作成する場合は、100mLのエタノールにm=2*100*468.7/1000=93.74mgのチオールを溶解させます。

試薬の性状が油状の場合は、マイクロピペットを使用して計量して下さい。体積を質量に換算するには体積=質量/密度を使用します。ほとんどのアルカンチオールとジスルフィドは25℃で密度が0.84g/mLです。良質なSAMの形成には厳密な濃度計算が重要というわけではないので、この値で差し支えありません。

Q: SAMの形成方法は?
A: 金基板を2〜12時間エタノール溶液の中に浸して下さい(下図をご参照ください)。SAMが形成された後、大量のエタノールで基板表面を洗い流し、余分な積層膜(形成される可能性があります)を取り除き、窒素で乾燥させてください。超音波洗浄をされる方もおられますが、その場合は金とガラス基板の間に接着層があり、金が剥がれ落ちない事を事前に確認してください。

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Q: SAM形成の浸漬時間は?
A: 比較的無秩序なSAMは数秒で形成されますが、浸漬時間を長くする事により、よりタイトな秩序だったSAMになります。この為実用的には2〜3時間の浸漬時間で良いのですが、約12時間の浸漬をお奨めしています。
カルボン酸のような極性基を持つチオールは通常SAM形成が遅くなり、強い極性を持つ場合は完全な単分子膜にならなくなる場合があります。このような場合は違う種類のSAMを混合させるなどして微調整していく必要があります。

Q: ジスルフィドはSAM形成しますか?
A: ジスルフィドの吸着速度は遅くなりますがSAMを形成します。

Q: SAMのクオリティーと鎖長は関係ありますか?
A: 鎖長がとても短いチオール(炭素数6以下)は欠陥のあるSAMを形成し、長い場合は問題がない傾向があります。

Q: 様々なバイオレジスタントEGnチオールの違いは?
A: 一般的にEGのユニットを2つ以上持つチオールをお薦めしています。たんぱく質の吸着を防ぐ目的では、EG3でもEG6でも大差ありません。細胞の吸着を防ぐ目的では長いEGリンカーがベターです。この用途ではEG6のSAMをお薦めいたします。

Q: アセチル保護チオールは単分子膜を形成しますか?
A: AcSグループは金との接触で脱保護します(90年代初頭のAllara and Whitesidesの文献をご参照ください)。SAM形成の最適条件を調べる必要はありますが、アルデヒド末端やアシル保護された硫黄などには、この方法が唯一安定した化合物を作る方法となります。

Q: チオールに毒性はありますか?
A: 異臭(特に鎖長の短いもの)はありますが無害です。
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