カリックス[n]アレンは超分子化学の分野において、カップ型の構造を持つホスト分子としてゲスト分子をその中に取り込むことができる大環状化合物です。
ユニークな3次元構造は様々なサイズや形状に合成が可能で、包接能力を高める事により様々な分子の包接が可能な為、近年よく用いられています。
カリックスアレンの最大の特徴は、金属イオンと有機分子を同時に包接する事ができる事です。ベンゼン環部はファンデルワールス力などによって有機分子を包摂し、OH部分は静電引力によって金属イオンなどの陽イオンを包摂します。金属イオンは水に溶けますが、溶媒には溶けず、逆に有機分子は水に溶けず油に溶けます。この為金属イオンと有機物両方を同時に溶かす溶媒を見つけるのは難しくなりますが、カリックスアレンはこのような時に役に立ちます。
又、カリックスアレンはフェノールがメチレン基を介して数個環状につながった構造で、構成する各フェノール単位の水酸基には、有機合成の技術により容易に様々な置換基を導入することができる為、
こうした修飾によってカリックスアレンの包接能力を変化させる試みも多数行われています。
フィルター、触媒などのアプリケーション用途でお客様のニーズに合わせてカスタムメイクも可能ですので、お問い合わせいただければ幸甚です。
文献
[1] J. Vicens, Calixarenes. A Versatile Class of Macrocyclic Compounds. Topics in Inclusion Science, ed. V. Bohmer (Dordrecht: Kluwer Academic Publishers, 1991).
[2] Z. Asfari, V. Bohmer, J. Harrowfield, J. Vicens, Calixarenes 2001, ed. J. Vicens (Dordrecht: Kluwer Academic Publishers, 2001).
製品 | コード番号 | 容量 | 価格(¥) |
---|---|---|---|
Calix[4]arene | CX 001-1 | 1g | 61,000 |
MW=424.49 | CX 001-5 | 5g | 183,000 |
CX 001-10 | 10g | 285,000 |
Calix[4]arene
純度:>95% (1H NMR)
製品 | コード番号 | 容量 | 価格(¥) |
---|---|---|---|
4-tert-Butylcalix[4]arene | CX 002-5 | 5g | 40,000 |
MW=648.91 | CX 002-25 | 25g | 63,000 |
4-tert-Butylcalix[4]arene